捨てられ幼女は最強の聖女でした~もふもふ家族に拾われて甘やかされています!~
「君、大丈夫か? どこか痛いところはないだろうか。苦しかったりは?」
「森で倒れてたのを拾ったんスよ。二日も眠りっぱなしだったんス! 腹減ってるんじゃないッスか? メシ持って来た方がいいッスかね? 朝飯の残りの肉があるッスよ!」
「馬鹿ね。急にお肉なんて食べられるわけがないわ。お粥を用意しましょう。ミルク粥は甘い方がいい? ベーコンを入れた方が食べ慣れているかしら?」
 部屋に入ってきたのは、全員が男性だった。
 ひとりは黒髪で、顔の半分を仮面で覆い、ブレストプレートを着込んだ男性。背中には槍を背負っていて、キビキビした動きから武を嗜んでいるのだということがわかる。
 先ほどの少年は、愛嬌のある笑みを浮かべて私に向かってヒラヒラ手を振っている。仮面の男性に比べると、かなり砕けた態度だ。
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