奪って、浬くん
「(.....だって、言えないよ)」
もし断られたら.....って、そう考えただけで、泣きそうになる。
''幼なじみ''というカンケイにがんじがらめにされているのは、わたしが弱いから。
「っ、.....かいりくん、」
ずるくて弱い、意気地なしのわたしには、浬くんのとなりにいる資格がないのかもしれない。
でも、やっぱり、わたしは.....。
「なに、なこ」
目尻にきゅっとシワを寄せて、柔くわらうきみを─────ひとりじめしたいの
「すき......っ」
その瞬間、ぱちん、となにかが弾ける音がした。