奪って、浬くん
奪って、浬くん
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そして、冒頭に戻り。
「うぅー.....、ほんとばか、」
浬くんの部屋から逃げてきたわたしは、自分の部屋にて自己嫌悪中.....ということ。
愛用のマシュマロクッションに顔を押しつけながら、ため息がとまらない。
....浬くん、びっくりしてた。
ただの幼なじみにコクハクされた──だけでもびっくりなのに、勝手に告い逃げされて、おいてけぼりにされたら。
「(あきれた、だろうなぁ.....、)」
心臓が痺れるみたいにいたくて、ぽろっと頬に涙が伝う。
......浬くんに拒絶されるかもしれない、そのことが、こんなにもこわい。
ほんとうに弱くて泣き虫な自分、ぜんぜん成長できてないよ.....。
クッションから顔をあげると、棚に並べてある少女マンガが目に入って、なんとなく手を伸ばしてみる。