幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆
政宗の脳裏に浮かぶのはただ一つ。
昔優也に相談されたことだ。

──小春は手術跡を気にしてる。消す方法ないかな?

直接小春から聞いたことも見たこともない。けれどそれを消してあげたいと思ったからこそ医療品の開発を手掛ける仕事を選んだ。ずっと研究を重ねてきて試作品はできている。それを今小春に渡すこともできる。だけど……。

「ごめん、やっぱり小春が嫌がることをする」

「え?」

「手術跡を気にしているんだよね?」

「っ!」

小春は咄嗟に胸の辺りの服を掴んだ。ぎゅっと握りしめるも、政宗がその手を優しく包みほどこうとする。

「やだ、見ないでっ」

小春の抵抗は政宗からのキスによっていとも簡単に崩落した。たくさんの濃厚なキスは小春の強張る体の力を抜けさせる。

「……はぁっ、政宗く……」

名前すら呼ばせてもらえないほどにキスで攻められ、小春の目尻に涙が溜まった。だが政宗はそれすらもキスで拭いとり、あっという間に小春の胸をはだけさせた。
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