幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆
おまけのお話◆その後……◆
朝布団から出るというのはどんな季節でも躊躇いがある。ぬくぬく暖かいこの微睡みにいつまでも浸っていたいからだ。

遠くで聞こえるスマホのアラーム音に、私はうーんと伸びをした。そういえば今日は早番だったっけ?ああ、起きなくちゃ。ていうか、スマホはどこ?

手を伸ばそうと動かすも、何かに阻まれる。

「ん?」

と、そこでようやく目が覚めた。
阻まれたのは布団でも何でもない、政宗くんだ。政宗くんが隣で寝ていたのだ。

「ひえっ!」

そうだった、私は昨夜政宗くんに抱かれたのだ。それもとびっきり甘くとろとろに。

ぬくぬく暖かいのは布団ではなく政宗くんの体温だということに気付くと、心なしか体が火照る。

ていうか!

私ったら服を着ていない。それどころか下着すら着けていない。いや、まあ、何ていうか、政宗くんが激しすぎて体力なくなってこてんと寝てしまったのは私なんだけど。

でも腑に落ちないことがある。

政宗くんはシャツを着ているんだけど?!
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