幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆
拾い上げると、それはカードだった。
政宗の名前と顔写真、それに予備校の名前が書いてある。

「お母さん、政宗くんがカード落としたみたい。私届けてくる」

「お母さんが行こうか?」

「ううん、まだそこに見えるから行ってくるね」

小春は政宗を追いかけ歩き出したが、政宗の歩幅は大きくなかなか距離が縮まらない。走ることはできないが、早歩きならできる。一生懸命政宗との距離を縮めてから、小春は大声で呼んだ。

「政宗くーん!」

振り返った政宗は、驚いた顔で小春の元へ走ってきた。

「あー、気付いてもらえてよかったー。はー」

若干息が切れている小春に、政宗の表情は険しくなった。

「小春、走ったらダメだろ」

「走ってないよ、早歩きしただけだよ」

「それでも心臓に負担がかかったらどうするんだ」

政宗の言葉に、今度は小春の表情が険しくなる。
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