幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆
小春としても、ハンディキャップを持ちながらも今まで大切に育ててきてくれた感謝の意味も込めて、家族からの期待に応えなければいけないのだろうと思った。

その反面、今まで何事もなく過ごせてこれたのだから今さら手術なんてという気持ちもあり、なかなかに複雑な気分だ。

だけどそれを言い出す勇気はなかった。
家族が手術に前向きで希望を持っている。
怖いけれど、それで小春が元気になり、家族が喜んでくれるなら、こんな孝行は他にはないだろう。

「じゃあ、頑張ってみようかな……」

小春は言うと、ニコッとはにかんで見せた。


その後、手術は夏休み中に執り行われることが決定した。
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