幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆
***

「はぁー」

小春は病院でもう何度めかわからないため息をついた。

手術前から入院し、いろいろ検査をする。
迫ってくる手術日に内心びくびくしていた。

手術は、怖い。

両親も兄も学校の友達も、皆明るく励ましにきてくれた。それはとても嬉しくてありがたくて、まわりから愛されていることを実感する。反面、これが最後の挨拶になるのではといったネガティブな考えも頭を過るのだ。

もし自分が死んだらどうなるのだろう?

不安がとめどなく襲ってきて、小春の胸を締め付ける。思わず自分の胸の辺りをぎゅっと掴んだ。伝わる心臓の鼓動が妙に大きく感じられた。

「小春、どうした?」

突然名前を呼ばれ顔を上げると、そこには心配そうな顔をした政宗が立っていて、小春は目をぱちくりさせて驚いた。
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