幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆
「もー、この話は内緒だからねっ」
「う、うん、わかってる」
満更でもない夏海が、今度は少し照れながら人差し指を口許に当てる。そんな夏海を、小春はやっぱり少し羨ましいと感じた。
制服の上から傷痕をなぞる。
決して短くないその傷痕は、心臓を治すためには必要なものだった。普段は隠れて見えない、自分だけしか見えない傷痕。それをいつか誰かに見られるのかと思うと、やはり抵抗が大きかった。
「小春ちゃんの好きな人はどんな人?」
「えっとね、お兄ちゃんの同級生で、小さい頃から遊んでもらってて、今は大学生なんだけど、すっごく優しくてすっごくかっこいい人」
「何それ、本当に幼なじみじゃん。しかも優しくてかっこいい幼なじみって、やっぱりドラマみたいだよ。いいなぁ」
夏海が口を尖らせて本気で羨ましがるので、小春は政宗を褒めてもらえている様で嬉しくなった。一度はフラれた身だが、好きなものは好きなのだから仕方がない。今でも政宗はおにぎりを買いに来てくれ、その姿を見るたび小春の胸はいちいちときめいている。
「う、うん、わかってる」
満更でもない夏海が、今度は少し照れながら人差し指を口許に当てる。そんな夏海を、小春はやっぱり少し羨ましいと感じた。
制服の上から傷痕をなぞる。
決して短くないその傷痕は、心臓を治すためには必要なものだった。普段は隠れて見えない、自分だけしか見えない傷痕。それをいつか誰かに見られるのかと思うと、やはり抵抗が大きかった。
「小春ちゃんの好きな人はどんな人?」
「えっとね、お兄ちゃんの同級生で、小さい頃から遊んでもらってて、今は大学生なんだけど、すっごく優しくてすっごくかっこいい人」
「何それ、本当に幼なじみじゃん。しかも優しくてかっこいい幼なじみって、やっぱりドラマみたいだよ。いいなぁ」
夏海が口を尖らせて本気で羨ましがるので、小春は政宗を褒めてもらえている様で嬉しくなった。一度はフラれた身だが、好きなものは好きなのだから仕方がない。今でも政宗はおにぎりを買いに来てくれ、その姿を見るたび小春の胸はいちいちときめいている。