幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆
「小春の手術のことなんだけど」
「ん?……ああ」
小春は二度目の心臓の手術を控えている。
その予定は来年だが、刻々と迫ってくる日々とその準備に、だんだんと現実味を帯びてくる頃だ。
「突然受けたくないって言い出した」
「……何で?」
「わからない。今回の手術で事実上完治になるんだ。だから本人も受ける気満々だったのに、急に受けたくないって」
「何かあったのか?」
「思い当たることは何もないんだ。俺も両親も、手術を受けさせたいと思ってる。先延ばしにしてもいいことなんてない。だから、政宗からも言ってくれないか?」
「俺が?小春に?」
政宗はポカンとしてしまう。
家族が説得できないものを、他人である政宗が説得できるわけがない。そう思ったのに。
「小春は政宗の言うことなら聞くからさ」
と、妙に自信たっぷりに優也が言うので、政宗は何だかむず痒い気持ちになった。到底自分が小春を説得できるはずはないと思ったが、他ならぬ優也の頼みなので、一言だけでも声をかけるかと政宗は重い腰を上げた。
「ん?……ああ」
小春は二度目の心臓の手術を控えている。
その予定は来年だが、刻々と迫ってくる日々とその準備に、だんだんと現実味を帯びてくる頃だ。
「突然受けたくないって言い出した」
「……何で?」
「わからない。今回の手術で事実上完治になるんだ。だから本人も受ける気満々だったのに、急に受けたくないって」
「何かあったのか?」
「思い当たることは何もないんだ。俺も両親も、手術を受けさせたいと思ってる。先延ばしにしてもいいことなんてない。だから、政宗からも言ってくれないか?」
「俺が?小春に?」
政宗はポカンとしてしまう。
家族が説得できないものを、他人である政宗が説得できるわけがない。そう思ったのに。
「小春は政宗の言うことなら聞くからさ」
と、妙に自信たっぷりに優也が言うので、政宗は何だかむず痒い気持ちになった。到底自分が小春を説得できるはずはないと思ったが、他ならぬ優也の頼みなので、一言だけでも声をかけるかと政宗は重い腰を上げた。