幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆
別にそんなの気にしないのに……と一瞬思ったが、すぐさま政宗は考えを改め反省する。政宗は気にしなくても、小春は気にするのだ。それに小春だけじゃない、世の中にはそういったことを気にする人が他にもいるのかもしれない。政宗が知らないだけなのだ。

「そうなると、美容外科とかかな。お金はかかると思うけど」

「美容外科ねぇ」

二人はしばらく考え込んだが、結局これといっていい案は出なかった。

「ところで政宗さぁ、小春のこと泣かせただろ?」

「…………ん?」

政宗の脳裏に、手術後見舞いに行った時に小春が泣きながら抱きついてきたことが思い浮かんだ。

「いや、あれは……」

弁解しようにもどう言うべきか悩み、口ごもる。

「やっぱりお前か、このやろう。別に小春は政宗に泣かされたとは言ってない」

「……このシスコンめ」

嵌められたと分かり、政宗は悔し紛れに呟いた。

「どうせ俺はシスコンだよ。認めるよ。可愛い小春を泣かせやがって。責任取れよ」

「責任って……。悪かったよ。別にケンカとかじゃないから。今度またケーキでも持ってくよ」

「……この鈍感政宗」

「……うるさいな」

二人は冗談半分言い合いをしながら、お互いにそれぞれの思惑で小春に想いを馳せた。
どちらにとっても、小春は大切な存在に間違いはなかった。
< 54 / 120 >

この作品をシェア

pagetop