幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆
優也と幼なじみの向井政宗は、小学生の時に親の都合で県外へ引っ越しをした。
優也と政宗は仲が良く、遊ぶときは大抵小春も一緒にいた。もちろんその時から優也は小春の心臓を気遣って、家でゲームをしたりとインドアな遊びをしていた。

小春も、「政宗くん、政宗くん」とたくさん遊んでもらった幼なじみのはずなのだが、全然思い出せない。

「今日は俺たちテスト勉強するからさ、小春もここで宿題をやりな」

「はーい」

「政宗、頭いいからさ、何でも教えてもらえるぞ」

「うーん、何でもかはわからないけど、わからないところがあったら教えるよ」

政宗の終始優しい口調に、小春はどんどんと緊張が溶けていくようだった。


それからも、政宗はちょくちょく優也と勉強のためと言いながら家に来るようになった。
その度に小春も一緒に宿題をし、政宗とだんだんと打ち解けていった。
< 7 / 120 >

この作品をシェア

pagetop