幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆
政宗の後ろ姿に手を振る。

ああ、その後ろ姿さえも格好いい。
ずっと見ていたい。

なんて感情に浸っていると、優也がボソッと呟く。

「小春って相変わらず政宗が好きだよな」

「……うん。政宗くんを見ると元気が出るんだ。何でだろう?」

「は?そりゃ、……好きだからだろ?」

小春と政宗の一途さにはほとほと優也も呆れていた。一途に想い続けているくせに、どこか違う方向を向いている二人。

「どこの馬の骨かもわからないやつより、政宗なら小春を任せられるんだけど」

「何それ」

「俺が結婚するから小春は家を出ていくんだろ。申し訳ないなって思ってさ」

「何言ってるの。せっかく実里さんがここに住んでくれるのに、私がいたらお邪魔虫じゃないの」

「俺は全然いいけど」

「もう、お兄ちゃんは相変わらず過保護なんだから。それ、ケンカのもとになるから絶対実里さんに言っちゃダメだからね」

「はいはい」

膨れる小春に、優也は苦笑いした。
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