幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆
専門学校を卒業してそのままおにぎり屋で働く小春は、ずっと実家暮らしだ。この家を出ることなんてまったく考えていなかったが、優也が結婚と同時に二世帯住宅を建てるというので、小春はこの機に家を出る決心をした。

と言っても実家の近くでの一人暮らしだ。
仕事場はおにぎり屋なので、あまり離れると今度は通うのが大変になってしまう。

家電は新しく買ったため配送されるが、自分の荷物はそれ程多くもなく引っ越し先も近いため、少しずつ運ぶことにした。

「小春、家を出るんだって?」

「うん、でもすぐ近くなの。今頑張って運んでる」

「俺が手伝うよ」

「大丈夫だよ」

「ダメだ、小春はすぐ無理をするから。優也、俺が小春の引っ越し手伝うから。小春を休ませて」

「政宗、助かる!政宗が手伝ってくれるなら安心だ」

「もう、お兄ちゃんも政宗くんも過保護だなぁ」

昔から二人に守られてきた小春だったが、心臓が完治している今、そこまで甘えてはいけない気がしていた。だが政宗は手伝いを譲らない。

「……そういうとこだけ強引なんだよなぁ」

不貞腐れたように呟いたが、その気持ちとは裏腹に政宗に笑顔を向けられて、すぐに小春の気持ちは浮き立った。
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