幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆
「小春は重いものを運んだらダメだ」

「もう、ちょっとくらい大丈夫だってば」

小春が荷物を持つとすぐに政宗がそれを取り上げひょいと持ってしまう。結果、手持ち無沙汰になるか本当に軽いものを持つだけになってしまい、もう諦めて素直に政宗に任せることにした。

「それにしても小春が一人暮らしをするとは思わなかったな。優也にくっついてばかりだったのに」

「私も、もう大人なんです!いつまでもお兄ちゃんに頼っていられないよ。実里さんもいるし。一人で頑張らなくちゃ」

「そっか、立派だな。でも無理はしないこと。いつでも頼っていいから」

優しく頭をポンポンとされ、小春の胸はドキッと悲鳴を上げた。突然そんなことをされると、急に政宗と二人きりだということを意識してしまう。

「……うん、ありがとう」

努めて冷静に言ったつもりだったが、小春の頬はピンクに染まっていた。
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