幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆
「小春、馬子にも衣装だな」

本日の主役である優也が、小春を見てうんうんと頷く。

「お兄ちゃんそれどういう意味?」

不満げに口を尖らせると、優也は楽しそうに笑いながら政宗に話を振った。

「今日は特別に可愛いってこと。な、政宗」

「うん、とても可愛いよ。それに綺麗だね」

「ひえっ」

政宗からの思いもよらぬ言葉に、小春は変な悲鳴を上げた。“可愛い”や“綺麗”を面と向かって言われ、一気に体温が上昇する。赤くなる顔を隠すため慌てて両手で頬を包んだ。

「照れてる照れてる」

優也がからかうと政宗も柔らかく笑った。

「もう、そういうのは実里さんに言ってよ」

「実里が可愛いのは当たり前だろ」

恥ずかしげもなく言う優也は実里をぐっと自分の方へ引き寄せた。二人見つめ合うその空気感が幸せに満ちていて、見ている方も幸せな気分になる。

純白のドレスに身を包んだ実里はとても美しく、ほうっとため息が出てしまうほどだ。

「実里さんとっても綺麗です」

「ありがとう、小春ちゃん」

微笑み返す実里はキラキラと輝いていて、いつか自分もこんな風に結婚式が挙げれたらいいなと小春は思った。
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