幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆
小春の決意におあつらえ向きかのように、披露宴のあと政宗が声をかけた。

「小春、家まで送るよ」

「本当?ありがとう」

引出物の入った紙袋を自然と持ってくれる政宗に、またしてもキュンと胸が高鳴る。

「政宗くん……あのっ……」

「うん?」

意を決した小春が口を開きかけたちょうどそのとき、突然ぽんっと肩を叩かれビクッと肩が揺れた。振り向けば見知った顔が二人立っている。

「小春じゃん。久しぶり!」

「うわぁ、亜季ちゃん、それに隆也くんも!こんなところでどうしたの?」

「それはこっちのセリフだよー」

小春の専門学校時代の同級生である亜季と隆也にバッタリ出会い、小春は驚きの声を上げた。

「私たち、今結婚式場巡りしてるんだよ」

「何それ?神社巡りみたいなもの?」

「もー、ほんと小春は箱入りなんだから」

「うん?」

「俺たち、結婚するんだよ。だから色々な式場を下見してるの」

「えっ?!二人、付き合ってたの?」

亜季と隆也は顔を見合わせてクスクス笑う。

「ほんと小春ったら鈍感だなぁ。学生時代から付き合ってたんだけど知らなかった?」

「……知らなかった」

ポカンとする小春に、亜季と隆也はますます苦笑する。

「そりゃ航成も苦労するよなー」

「うん?何で航成くん?」

「何でって、そりゃ……」
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