拾った宰相閣下に溺愛されまして。~残念イケメンの執着愛が重すぎます!~

 そう、思うのに。

(なーんか。面倒なことになる予感が、するんですよねぇ)

「はーい。レモンケーキお持ちしましたー……。って、どうしたんですか? なにか悩み事です?」

 ことりと目の前に皿が置かれ、エリアスはつられて顔を上げる。そこに、大好きで愛らしい、癒しの天使の姿をみつけて、にこりと笑み崩れた。

「いえいえ。ちょっと考え事をしていたんですが、フィアナさんの顔を見たら吹っ飛んでいっちゃいました」

「えぇ……。それ大丈夫なんですか? 私責任とれませんよ?」

「大丈夫ですよ。最後に私のお嫁さんになってくだされば」

「めちゃくちゃ責任取らせるじゃないですか! どこに大丈夫な要素がありますか、それ!」

「えー」

 声を上げて笑いながら、エリアスは平穏の時に酔いしれ、思う。

 まあ、いいでしょう。この愛しい少女は、誰にも渡さない。

 この決意に、変わりはないのだから。
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