渚便り【完】
「……ママ、なんでないてるの?どこかいたいの?」
「ううん、違うの。ママなら大丈夫だよ。ごめんね、気にしないで」
心配そうに私の服の袖を引っ張る娘に微笑みかける。
けれど心の中で私は声を上げて泣いていた。
……ごめん間瀬。
私、今の旦那にもこの子にも申し訳ないけれど、今心から笑えていないかもしれない。
確かに今の生活も幸せだよ。でもね、ワガママかもしれないけど、私にとっては間瀬と一緒に過ごした時間があまりにもキラキラした宝物のようで、あの時の私の気持ちがずっと心の奥底にあるの。
私はなんて最低な人間なのだろう。妻としても母親としても失格だ。
だけど、間瀬を想う私はどうしようもなく子供だから、きっとこの気持ちと決別してすることはできないだろう。
「ほら、ママはもう大丈夫!さあ、あの辺でお弁当食べよっか!」
娘に対し無理に作った笑顔に、あの時のようなあどけなさは残っていない。
無情な時の流れが私を大人にしたのだ。
だけど外見ばかり膨らんでいって、実際には子供のような心を持ったまま。
知らなかった。大人って意外に子供なんだってこと。
さらさらの砂を踏んで、私が指差した方へ喜んで駆け出した娘の後に続く。
「ううん、違うの。ママなら大丈夫だよ。ごめんね、気にしないで」
心配そうに私の服の袖を引っ張る娘に微笑みかける。
けれど心の中で私は声を上げて泣いていた。
……ごめん間瀬。
私、今の旦那にもこの子にも申し訳ないけれど、今心から笑えていないかもしれない。
確かに今の生活も幸せだよ。でもね、ワガママかもしれないけど、私にとっては間瀬と一緒に過ごした時間があまりにもキラキラした宝物のようで、あの時の私の気持ちがずっと心の奥底にあるの。
私はなんて最低な人間なのだろう。妻としても母親としても失格だ。
だけど、間瀬を想う私はどうしようもなく子供だから、きっとこの気持ちと決別してすることはできないだろう。
「ほら、ママはもう大丈夫!さあ、あの辺でお弁当食べよっか!」
娘に対し無理に作った笑顔に、あの時のようなあどけなさは残っていない。
無情な時の流れが私を大人にしたのだ。
だけど外見ばかり膨らんでいって、実際には子供のような心を持ったまま。
知らなかった。大人って意外に子供なんだってこと。
さらさらの砂を踏んで、私が指差した方へ喜んで駆け出した娘の後に続く。