渚便り【完】
「もしかして一日中いたのか?」
「まさか。流石に一日中はいないよ。でもこの景色も見収めだからね~、もう三時間くらいはいるかも」
「暇人かよ」
「否定できないなぁ。もう荷物とか送っちゃってるからやることなくて」


両手を上に伸ばし背伸びをした伊波は「今日はどれにする?」と駄菓子の入った袋の中を見せつけてきた。
どんだけ海と駄菓子が好きなんだコイツは。
呆れ半分に笑ってやると、伊波も笑い返してくれた。


「ありゃハズレだ。間瀬は?」
「俺もハズレ」
「ざんねーん」


アタリ付きの駄菓子の袋を開けてそんな短い会話をしたあと、少しだけ間を置いて俺は訊ねることにした。
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