渚便り【完】
「……なんて書けばいいか分かんねー」
案の定贈る言葉が見つからない俺は苛立ちにより、髪の毛をわしゃわしゃとする癖を発動させた。
それを見ていた委員長が「じゃあ月並みな言葉で良いんじゃない?」と首を傾げたから、俺は殴り書きのようにペンを走らせた。
“沖縄に行っても元気でな”
下に間瀬、と自分の名前を付け足す。
ボールペンを筆箱に閉まってから気付いたけど、先に書いていた林崎(こいつも俺の親友だ)の言葉と一字一句一致していた。
瞬時に脳内に浮かんだ月並みな言葉が林崎と同レベルなことが悲しくなった。
「ありがと!」
委員長は俺の手から色紙を取り上げると、また別な男子の席へ向かって行った。
騒々しい教室内で俺は一人虚無感に支配されそうになる。
もうすぐ伊波がいなくなる。遠くに行って会えなくなってしまう。
上辺に出さないように必死に潜めていた感情が沸々と込み上げてきた。
案の定贈る言葉が見つからない俺は苛立ちにより、髪の毛をわしゃわしゃとする癖を発動させた。
それを見ていた委員長が「じゃあ月並みな言葉で良いんじゃない?」と首を傾げたから、俺は殴り書きのようにペンを走らせた。
“沖縄に行っても元気でな”
下に間瀬、と自分の名前を付け足す。
ボールペンを筆箱に閉まってから気付いたけど、先に書いていた林崎(こいつも俺の親友だ)の言葉と一字一句一致していた。
瞬時に脳内に浮かんだ月並みな言葉が林崎と同レベルなことが悲しくなった。
「ありがと!」
委員長は俺の手から色紙を取り上げると、また別な男子の席へ向かって行った。
騒々しい教室内で俺は一人虚無感に支配されそうになる。
もうすぐ伊波がいなくなる。遠くに行って会えなくなってしまう。
上辺に出さないように必死に潜めていた感情が沸々と込み上げてきた。