渚便り【完】
*
6月の下旬に、アニキの披露宴が行われた。
私は母に見繕ってもらったよそ行き用の清楚なワンピースを着てきた。それに合わせて選んだヒールの高い靴も、なんだか履き心地が悪い。
「あたし結婚式参加するの初めてでめっちゃドキドキする〜!」
「うちもー!てかすごい綺麗なところだよねー!うちもいつかこんなところで結婚式したいなー!なぎさもそう思わない?」
「あ、うん。そうだね」
「てか20ちょいで結婚とか早いけど羨ましい〜!あたしも早く結婚したいわ〜」
「うちらまだ中学生だっての」
「それな〜」
生まれて初めて出席する結婚式に、やたらハイテンションになっている友達をよそに、私は複雑な感情を渦巻かせていた。
自分が想いを寄せている人の結婚式に、来場者として来ているなんて虚しいったらありゃしない。
だけどみんなにこんな汚い本心がバレるのは嫌だから、私はあえて欠席という選択はせず、必死にいつも通りの自分を装った。
6月の下旬に、アニキの披露宴が行われた。
私は母に見繕ってもらったよそ行き用の清楚なワンピースを着てきた。それに合わせて選んだヒールの高い靴も、なんだか履き心地が悪い。
「あたし結婚式参加するの初めてでめっちゃドキドキする〜!」
「うちもー!てかすごい綺麗なところだよねー!うちもいつかこんなところで結婚式したいなー!なぎさもそう思わない?」
「あ、うん。そうだね」
「てか20ちょいで結婚とか早いけど羨ましい〜!あたしも早く結婚したいわ〜」
「うちらまだ中学生だっての」
「それな〜」
生まれて初めて出席する結婚式に、やたらハイテンションになっている友達をよそに、私は複雑な感情を渦巻かせていた。
自分が想いを寄せている人の結婚式に、来場者として来ているなんて虚しいったらありゃしない。
だけどみんなにこんな汚い本心がバレるのは嫌だから、私はあえて欠席という選択はせず、必死にいつも通りの自分を装った。