渚便り【完】
掃除当番のない俺は部活に行くべく、ロッカーに放り込んでいた鞄を手にした。
いつになく重いそれに眉間にしわを寄せてしまう。
というのも普段は教科書やノートを置いて行っている俺だが、一学期の終業式である明日にまとめて持って帰るのは流石にしんどいので、今日持って帰れる分をなるだけ鞄に詰め込んでいるのだ。
残りは明日持って帰るとするか。そう思いながら俺は廊下へ向かう。
「りゅーやっ!部活いこーぜー!」
「ぉわっ」
すると背後から林崎(りんざき)が突然肩を組んできたせいで、視界が大きくブレた。
隣に来ていた作田(さくた)が「大丈夫か?」と苦笑いで訊ねてくる。
大丈夫ではあるけど、林崎のこの勢いで言動を起こす姿勢はつくづく呆れてしまう。
それがコイツの短所であり長所でもあるのだろうけど。
林崎はクラス一のお調子者で、作田はクラス一の俊足ランナー。
どちらも小学校の頃からの友達で、同じサッカー部に所属している。
……オマケに二人揃って俺とは裏腹に長身である。
「んじゃ行くか」
「つか今日もめっちゃ天気良いな」
「やー、あちぃのだりぃなぁ~」
「これからまだまだ暑くなるぞ」
「いやだぁ~」
などと適当に会話をしながら歩き出す。
いつになく重いそれに眉間にしわを寄せてしまう。
というのも普段は教科書やノートを置いて行っている俺だが、一学期の終業式である明日にまとめて持って帰るのは流石にしんどいので、今日持って帰れる分をなるだけ鞄に詰め込んでいるのだ。
残りは明日持って帰るとするか。そう思いながら俺は廊下へ向かう。
「りゅーやっ!部活いこーぜー!」
「ぉわっ」
すると背後から林崎(りんざき)が突然肩を組んできたせいで、視界が大きくブレた。
隣に来ていた作田(さくた)が「大丈夫か?」と苦笑いで訊ねてくる。
大丈夫ではあるけど、林崎のこの勢いで言動を起こす姿勢はつくづく呆れてしまう。
それがコイツの短所であり長所でもあるのだろうけど。
林崎はクラス一のお調子者で、作田はクラス一の俊足ランナー。
どちらも小学校の頃からの友達で、同じサッカー部に所属している。
……オマケに二人揃って俺とは裏腹に長身である。
「んじゃ行くか」
「つか今日もめっちゃ天気良いな」
「やー、あちぃのだりぃなぁ~」
「これからまだまだ暑くなるぞ」
「いやだぁ~」
などと適当に会話をしながら歩き出す。