勇者がうちにやってきた▼【完】
そう考えた私たちは周辺の道、そして深夜営業をしているファミレスやスーパー等、寄り道できそうなところを片っ端に当たった。
しかしちよこさんの姿はどこにもなかった。目ぼしい目撃情報もゼロだ。


「ちよこさん?うちには来ていませんけど」


珍しく夜勤中だったあーくんが首を横に振る。


「サンキューあーくん」
「あっ、ちょっと待って下さい。人探しであればギン太に頼ってみたらどうですか」


さっさとコンビニを出ようとした親分にあーくんから有難い助言。
親分はどういう意味か分からずに固まっていたけど、少し間を挟んでから思い出したようにハッとした。


「そうか!ギン太の鼻で」
「シルバーウルフは嗅覚が優れていますからね」
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