勇者がうちにやってきた▼【完】
何も大丈夫ではないし、なぜそれをこの状況で所持しているのかも謎すぎるが、今はつべこべ言ってる場合ではない。
この問題が解決したらあとでこっ酷く叱っておかないと。

ギン太はブラジャーに鼻を近付いてくんくんとにおいを嗅ぐなり、ひと吠えしてから歩きだした。
私と親分は早足でその後に続く。

どのくらい歩いただろうか。駅をいくつも跨ぎ、気が付けば時刻も3時を回っていた。
流石に私も足が棒になりそうで、表情に余裕がなくなってくる。
けどにおいを辿る以上、徒歩じゃないといけないし。


「チトセちゃん無理すんなよ。なんだったらタクシーで先帰ってても良いからな?」
「ううん、ここまで来たらちよこさん見つけるまで頑張るよ」
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