勇者がうちにやってきた▼【完】
「あ、中に連れがいるんで!」
「すみません、確認したらすぐに出ていきますんで!ほんとすみません!」


カウンターを素通りした親分に代わり、唖然とする店員さんに頭を下げて店内に足を進める。
各部屋のドアを開けては閉めを繰り返している親分。
ちよこさんがいないと分かるや否や、「サーセン!間違えました!」と一応謝罪はしている。私も続いて軽く会釈をしておく。
ちよこさんの姿がなくて焦るなか、ついに奥の部屋に差し掛かり親分が勢いよくドアを開けると、


「ちよこちゃん!」
「親分くん?それにチトセちゃんもぉ?」


やっと見つけることができたちよこさんはタンバリンを手にカラオケを楽しんでいるようだった。
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