勇者がうちにやってきた▼【完】
一方マイクを握り歌っていたのは、親分より少し年上くらいの見知らぬお兄さん。
突然の部外者登場に歌声は止み、メロディーだけが虚しく流れ続けているなか、親分が声を張り上げる。


「てかテメェ誰だよ!ちよこちゃんに変なことしてねーだろうなァ!?」
「親分くん落ち着いて」
「コイツが最近ちよこちゃんをストーカーしていたクソ野郎なんだろ!?」
「そうだけど、とりあえず落ち着いて」


そうなのかよ!
声に出して突っ込みたかったけど、ちよこさんが落ち着けと言うので黙っておく。

頭に血が上っている親分を宥めてひとまず部屋に入れてもらった私は、リモコンの演奏を止めるボタンを押したちよこさんの話に耳を傾けることに。
< 308 / 381 >

この作品をシェア

pagetop