勇者がうちにやってきた▼【完】
「俺が小百合を奪われたように、お前にも大切な女を奪われる辛さを思い知らせてやろうと思ったんだよ」


憎悪に満ちた顔で恐ろしいことを言うケンジさん。
好きな人を想うあまり、こんな復讐に満ちたことをしでかすなんて悲しい話だ。
もちろん、こんな酷く理不尽な仕打ちに親分がブチギレないわけがなく、


「ざけんなよストーカー野郎!それはテメェんちの事情だろうが!押し付けがましいことしてんじゃねーよ!つか小百合ちゃんのこと奪ったとか言ってるけどよ、一方的に向こうが貢いできてるだけだから!オレは仕事でやってんだっての!」


ここがカラオケボックスで良かったと思えるほどの努号を放つ親分に、耳を塞ぎたくなる。
これ防音壁じゃなかったら近所迷惑もいいところだよ。
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