【完】黒薔薇の渇愛
今年は、街中のイルミネーションを堪能している暇もないほど、クリスマスどころではなかった。
あれから、数日が経ち。
いつの間にか年を越し、短い冬休みが終わりを迎える。
体育館で始業式が行われた朝、ガヤガヤとうるさい集団を見渡しても奏子の姿はなく。
その姿を、放課後まで見ることは出来なかった。
だけどたまたま耳にした会話。
「岡本奏子学校辞めたらしいよ」
「なんでも暴走族とモメたとか?」
「おじさんに女売ってたってマジ?きもー。」
あることないこと、噂が立つのは早かった。
もちろん、奏子の元彼女である私にも好奇心の目を向けられたけど。
今日は特別、なにかされたわけでもなく無事学校を終えた。