【完】黒薔薇の渇愛
出会った時から、思ったことは口にしちゃうタイプだとは思ってたけど……。
まさかこう、ハッキリ変態じみたこと言われると
いっそのこと清々しいというか……。
なんて反応していいか分かんない。
「どう?久しぶりの学校。
いじめられたりとかしてない?」
「あっ、うん。
てか、あのさーー……」
桜木は聞く権利があると思って
奏子が学校を辞めたこと、伝えようとした直後。
「桜木さん……っ!やっと見つけた。
またひとりで勝手に行動して……いい加減にしてください」
聞こえてきたエンジン音が、次第に大きくなっていくのは感じていたけど。
まさか横にバイクが停車すると同時に、呆れたイケメンの顔がすぐ近くにあるからビックリしてしまう。
声の正体は、雪羽さん。
そんな雪羽さんを見て、「あらー、見つかっちゃったか~。相変わらず俺を見つけるのが上手いね雪ちゃん」と怒られてるのに反省しない桜木。
一目見ただけでわかる、ふたりの関係性。
雪羽さんは自由奔放な桜木に振り回されっぱなしだ。