【完】黒薔薇の渇愛




そんな雪羽さんとバチっと目が合い
条件反射で思わず控えめなお辞儀をするけど。


すぐに目を逸らされ、無視されてしまう。


地味にショック。



「こんなところで油売ってないで、さっさと行きますよ!遅れたらなに言われるか分かったもんじゃない。」


雪羽さんがため息を吐きながら言う。



「えー、せっかく天音ちゃんと会えたのに~。
 行くのやだよねー、雪ちゃん代わりに行ってきてよ。」


「ふざけないでください、総長がいない集まりなんて意味がないでしょ。
 他のチームの奴らも来るのに、バカ言わないでください」


「そんなとこ行くより、天音ちゃんと居た方が楽しいこといっぱいあると思わない?」


「思いません。」



ピシャリとハッキリ言い返す雪羽さん。


そんな雪羽さんに対して「行きたくな―い」と駄々をこねる桜木は。


なぜか私の後ろに回って、ぎゅっと抱き締めてくるから
思わず「!?!?」と、声にならない反応をしてしまう。

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