【完】黒薔薇の渇愛
「ちょっ、桜木さんなに勝手に決めてるんですか……っ!
関係ない奴連れていくなんてダメに決まってます!!」
雪羽さんはハッと我に返り、慌てて桜木の真後ろまで駆け寄る。
「雪ちゃん頭かたーい。
族の集まりなんて、まったく関係ない女の子連れてきたり紛れ込んでたりすることだってあるでしょ?」
「それとこれとは別です。
桜木さんが見てない間に、そいつに何かあったらどうするんですか。」
雪羽さん……。
愛想のない人だなと思ってたけど、すっごいまともだこの人……優しいし。
ていうか久しぶりに人に優しくされたような気がして、なんだかジーンときちゃったよ……。
「俺が天音ちゃんから離れなきゃいいだけでしょ」
「他のチームに挨拶する時とかどうするんですか」
「んな頭の固いことしなくていーの。
てかなんで俺が挨拶しなきゃなんないの?
あっちからしてこいよー」
「……桜木さんってそういう人でしたね」
「あっはー、俺ってそんな人~」