【完】黒薔薇の渇愛
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「どう?……刺激的なちょっとしたドライブは」
微笑む悪魔はバイクから鍵を抜き取って、クルクルと鍵を人差し指で回す。
コンビニから目的地に着くまで、バイクでそんなにかからない距離だったことを着いてから知る。
だとすると、この一時間。ドライブと言う名の桜木に振り回されただけだったんだ……。
桜木の背中に胸を押し付けないよう、背中をピンと立たせていたせいで
変な体力使ってしまった……バイクから降りてやっと体が脱力感を覚える。
「あっ、あの……」
「ん?」
「なんですか、この手は。」
歩き出すと同時に、ガッチリと桜木の手が私の腰に回ってる。
意味が分からなくて、拒もうとするけど桜木は私から離れたがらない。
「遅刻した挙げ句、女と一緒なんて。これはもう誤解されてもしょうがないと思わない?」
「??……なんの話??」
「ダイジョウブ大丈夫。
ちゃんと紹介するからね、天音ちゃんのこと。
俺の"女"だって。」
「はい!?」