【完】黒薔薇の渇愛






「それじゃあ誓いのキスでもしますか」



どうしてそうなるのか意味が本気でわからない。


置いてけぼりの私を無視して、口を『3』の数字にして顔を近づけてくる桜木。



「やっ……普通に嫌だ!!」


思わず出る手は、桜木の頬を押して拒む。


すると桜木は、肩を震わせ笑い始める。


「ハハッ……普通に嫌だってなにそれ。
 冗談も通じないのかね、この子」


「……っ!?からかったの??」


「あったりまえー。
 なんで俺が天音ちゃんとキスしなきゃなんないの?」


「……」


「あっ、もしかして無理矢理がお好み?
 ドMだもんね天音ちゃん」


「……ほんっと嫌い」


「あっは、俺は好きだよー天音ちゃんのこと。」



< 118 / 364 >

この作品をシェア

pagetop