【完】黒薔薇の渇愛
「いってぇ~、今ぶつかったんだけど!?」
「やっべぇ、お前骨折れたんじゃね?」
未成年の俺達には不利な世界だ。
ちょっとぶつかったくらいで因縁をつけられることが、たくさんある。
「そりゃあ、ごめんなさいでした。」
めんどくさい。その一言につきる。
いちいち構ってたらきりがない。
適当に謝って歩き出すと、後ろから伸びてきた手に肩を掴まれる。
「……なあにお兄さんたち。謝ってるのにしつこいね」
「それが人に謝る態度か、くそがき」
「そっちは俺にぶつかっておいて謝ってないじゃーん」
「なんで俺が謝らなきゃいけねーんだよ」
「だったら俺も謝らなくてよくない?
どっちもどっち。はい、これでこの話はおしまいね」
「……っ、生意気なガキだな!?」