【完】黒薔薇の渇愛





『和倉さんってほんと地味でダサくて気持ち悪いよね』


『あれじゃあ友達ひとりもいないでしょ。
 なんか暗いし』


『不幸オーラ全開って感じ。
 だったら私らでもっと不幸にしてあげよっか』



いじめられたキッカケは、そんな心ない他人の会話からだった。


もともと人見知りで、小中と友達と呼べるほど誰かと一緒にいたことはなかったけど

クラスメイトとは挨拶程度には口を利いていていじめられることはなかった。



けど高校は違う。


大人でも子供でもないからこそ
彼らは容赦なく私を責め立てた。


教科書や机に落書きなんて、私からすればまだ可愛い方。


女子トイレに連れていかれては、モップを頭に押し付けられたり

トイレの水を飲まされたり。


帰り道で、肌は傷跡が目立つからと鞄に向かって石を投げられたり。


スカートがところどころ、ハサミで切られている日もあった。





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