【完】黒薔薇の渇愛






「乗って。」


一言だけそう言って。停めていたバイクの後ろに私を乗せる桜木は聞かなくても分かるくらい不機嫌だ。



バイクに跨がって数十分が経つ。


「降りて」


家でもお兄ちゃんが待ってる病院でもない。


桜木が私をおろし、向かった先は路地裏だった。



すると。



「ひっ……!?」


ぐいっと桜木に胸ぐらを捕まれ、できた服の隙間から私の胸元辺りを見ている。



「さっ、桜木なにして……っ」


「さっきから、チラチラ見えてうざいんだよねー。そのキスマーク」


「なっ……!?」


「ねえ、誰につけられたの?」   


「……」


「言えよ、誰につけられた?」


「……っ」


「黙んな。」



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