【完】黒薔薇の渇愛
「あの……ちょっと近い気が……?」
「いいんじゃなーい別に、両思いなんだし」
「あはは、そうだよね。両思いだから別にいっか……って、ええ!!?」
「なーにもう。天音ちゃんうっさいんだけど」
この男いま爆弾発言しなかった?!
えっ私の聞き間違い??
地球滅亡の危機!??
私もしかして死んでたりする??
「さ、桜木さんあの……」
「なんで敬語なの?」
「だって、両思いって……なに」
「そのまんまの意味なんだけど。
あれー?伝わってない??」
「まったく」
「……そう。
じゃあ気を取り直して」
グイッと手首を引っ張られると同時に、いきなり押し倒された。
私を見下ろす桜木は、口角をあげる。