【完】黒薔薇の渇愛
「天音ちゃんのことすっごい好き」
「……」
「好きすぎてダメ。
自分が壊れそう」
「……っ」
一直線に、好きな人から好きって言われて
ときめかないはずがない。
でも。
「……桜木、無理してない?」
「はあ?」
「だってさっきから……手、震えてるから」
昨日と今日とで色々あって
そのせいで桜木が責任を感じて『好き』って言ってるなら私はいらない。
他人に興味がない彼が、一度興味を持ってしまったら
その対象にひどく執着心を抱くことは薄々気づいていた。
けど……私は。
「本当の意味で桜木に好きになってもらわなきゃ……やだ」
「……天音ちゃん」
「もし桜木が責任を感じてるならーー……」