【完】黒薔薇の渇愛




「誰がこんな嘘つくかよ。
 つか、俺をこんな風にさせたんだから、責任とってほしいのはこっちの方なんだけど」


「……とっ、とる」


「ハッ……色気のない言い方。
 でもとってくれるなら、天音ちゃんの全部頂戴」


「……さくら、ぎ」


「ちゃんと満たしてね、俺のこと」



ギューと抱きつかれ、桜木の熱を感じる。


ドキドキ、心臓がうるさい。



このまま……ずっとこのまま、彼の体温で満たされていたい。


目を瞑ると、桜木の鼻で笑う声が聞こえてくる。
 


「なーに、誘ってんの」


「はい!?」


勢いよく起き上がり、目を見開くと
そのままキスされてしまった。



「~~っ!!なにするの……!」


「両思いになったことだし別に我慢する必要もないじゃん?
 つーか、一人暮らしの男、しかも恋人の部屋に入ってくるなんていい度胸してんねー天音ちゃん。」



「恋人になったのは今じゃん!」


「知らねー」




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