【完】黒薔薇の渇愛
次の日、桜木とお兄ちゃんのお見舞いに行った。
けど、まだ体力が万全でないせいか、お兄ちゃんは眠っていた。
次の日に病室を訪れても、目は瞑ったままだったから
本当に意識取り戻したのかなって不安になる。
そして三日後。
ようやく起きてるお兄ちゃんに会えて、私は子供みたいに鼻水を垂らしながら号泣している。
「なんでそんなタイミング悪いんだよ、お前らふたり」
お兄ちゃんが意識を取り戻したのは奇跡に近いと、医者に言われた。
本当によかった……。
自分の中にあった、最後の不安が消えていくのを胸の奥で感じる。