【完】黒薔薇の渇愛
私の言葉に分かりやすく目を見開く男たちを見て、掴みはバッチリだと思った。
ひとりの男が跨がっていたバイクから鍵を引き抜き、私の前に立つ。
私より頭何個分身長の高い男、それに。
スキンヘッドに強面なだけあって、威圧感がすごい。
桜木とはまた違った、漫画やドラマでよく見る不良のイメージそのもの。
だけど……私だってここで怯んではいられない。
「お前、なんで桜木を知っている。誰だ?」
スキンヘッドの後ろで、まだバイクに跨がったままの茶髪男は、私を睨んだまま降りてこない。
……女と話すのに、男ふたりもいらないってわけか。
「知りたきゃ先に名乗れば?」
「ああん!?」
「まあもう知ってますけどね、火炎のメンバーさん。」
「ーーッ!?……テメェ……なんで俺らのことまで知ってる……?」
「さあ……?知りたきゃお得意の暴力で、意地でも吐かせれば?」
「……あ?生意気な口利くのもいい加減にしろよ、女」