【完】黒薔薇の渇愛





桜木がどう反撃するか……それとも利口に"人質"をとられた身として素直に言うことを聞くのか。

茶髪男とスキンヘッドは、桜木がどちらの選択をするのか全然想像すら出来なくて構える拳を下ろそうとはしない。


ふたりとも恐怖からか、警戒心丸出しだ。


桜木は一瞬俯くと、「うーん」とらしくなく悩みはじめる。


だけど、すぐに顔をあげて。



「俺の女に手をだすなんて。
 岡本奏子君のみならず……なかなか火炎のメンバーも怖いもの知らず勢揃いってか?」



「「「ーーッ!?」」」


「天音ちゃん、さっさと返してもらおうかな」



桜木の反応を見て、三人とも同じ驚き方をしたと思う。



でも一番驚いてるのはきっと私。


だって……桜木の女なんて嘘なのに。



その嘘に、桜木が乗ってきた。



……しかも超ノリノリなんですけど、意味分かんない。




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