天色ガール

「じゃ、今日の１限は自習だから真面目にやれよー」




1限目の現代文の先生が休みらしい。


そのことを伝えたコウが教室から出た途端────ガヤガヤガヤ。また一気に騒がしくなった。



あたしは痛いくらい視線を浴びながらも気にせず自分の席に直行する。




椅子に腰掛ける、と。




「よろしくな」「よろしくね！」「よろしくっス！」




前と、斜め右前と、隣の席の、“信号機”が話しかけてきた。




……いや、信号機っていうのは比喩表現で彼らはれっきとした人間。



信号機と言ったのは、なんと話しかけてきた三人の髪色が赤、黄、青緑だったから。




「よ、よろしく」




返事をすると信号機は、ぱぁっ！と花が咲いたように笑った。



何だこいつら。信号機だけどかわいいな。