吸血姫の血を継ぐ少女
「!!!!!!!!!!」
その冷たい目に女性は身体を震わせて怯える。
【この娘なのだろうか。あの方が話していた例の女の子とは。】
怯えている女性をちらっと見つつ、ふむと顎に手を当てて考えている。
【年齢的に考えれば当てはまるが。なにしろ情報が無い!アイツのおかげでな。クソッ、忌々しい奴だ。しかし、関わっているとは驚いたが。まぁ、いい。………………おい、そこの女!!】
倒れて怯えている女性へ声を出すように呼びかけた。
「…………………………な、なんでしょうか?お願いします、助けてください。お金ならありますから。」
怯えながら女性はなんとか懇願する。
【チっ。】
その様子を見て忌々しく舌打ちをした。
【まあ、今はまだ目醒めていないみたいだな。
目醒める段階か、なるほど。ふむっ。】
再び顎に手を当てて考える。
「な、なんなのよ。目醒めていないとか。段階とか。なんの話なの?」
パニックになっている女性は声を荒げてしまう。
【はぁ、これだから女は】
溜息をつきながら首を振る者は、ふいに唇を小さく歪めせる。
【あの方に確認してもらうのが早いな。………………お嬢さん、悪いけど連れて行くよ、問答無用でね。】
ニィーと更に唇を横に広げるようにして微笑んだ。
「な、な、なんの話?あの方って誰なのよ!
ストーカーなの?犯罪なのよ、わかっているの?問答無用とかって…………。」
ゆっくり歩いて近づく者に、女性は抵抗の為に喚くように声を出す。
その女性を見た者は小さく息を吐く。
【本当に煩い生き物だな、女って。まあ、食事としては大歓迎だが。なにしろ、あの方が傷をつくるなの命令があってな?何があっても手を出してはいけないと。せっかく極上の物があるのに残念だな。】
ペロリと舌を舐めまわす。
見惚れてしまうような妖艶な姿に、女性は唖然としてしまう。