吸血姫の血を継ぐ少女
第一章
何気ない日々〜Journées décontractées〜
澄み切った空に、真っ白な綿あめが浮かんでいる。
雲と雲の間からは太陽がかくれんぼをするかのように見え隠れしていた。
電信柱を使って電線が伸び、その上には雀が止まっていた。
二羽の雀が仲良さそうに、チュンチュンと囀りながら電線の上で羽を休めてお喋りをしている。
ときおり、柔らかい心地よい風が吹いてくる。
空気の柔らかい澄んだ匂いの季節。
ーーーーーーー季節は春ーーーーーーーーー
その下をいろんな人が歩いている姿が見えてくる。
ランドセルを背負った小学生達。
様々な制服姿の学生達。
様々な制服とスーツ姿の会社員。
手を繋きながら歩く親子連れ。
友達と仲良くお喋りをしたり。
手首につけている腕時計を気にしながら歩く人。
中には歩きスマホもいるけれどね。
本当に様々な人が行き交う街。
早坂市(はやさかし)。
そのような風景の中、一人の制服を着た高校生が歩いていた。
そんな人々が行き交う中、私も学生鞄を持ちながら学校へ歩いていく。