吸血姫の血を継ぐ少女
「謝りたいのはこっちだよ。あの馬鹿が朝寝坊をするから結衣は先に学校へ行っちゃったんだよね。」
シュンとして俯いた夏穂ちゃんに慌てながら手のひらを見せながら大きく横に振る。
「ううん、大丈夫。ありがとう!そういえば和樹君は?」
キョロキョロと辺りを見渡す私に夏穂ちゃんは、困ったように首を小さく横に振りながら盛大な溜息を吐いた。
「和樹ね、私が家を出ようとした時に、慌てて準備をしていたの。なんでもっと早くに起こさないんだよ、馬鹿夏穂!なんて怒鳴られたけど。夜遅くまでゲームをしていたのがイケないんじゃない、まったく私のせいにして貰わないでっていいたい。あれは遅刻ね。」
ぷくりと頬を膨らませる夏穂ちゃんに思わず苦笑いをしてしまった。
「ぷっ。和樹君携帯ゲームに夢中なの?」
「そうよ、あの馬鹿!今じゃあ、携帯は必需品だものね?携帯ゲームをしているものだから。
毎回お母さんに怒られているの。それで毎日バタバタよ。静かに出来ないのかしら。」
「そうなんだね。」
クスクスと笑う私に夏穂ちゃんは呆れたように溜息を吐いといた。