たまには甘えていいんだよ
目が覚めると、既に空は明るんでいた。


「起きたの?おはよ」


そう言う彼はすっかり元気になって、いつもの壱斗に戻っていた。それなのに私はと言うと…体が鉛のように重い。おまけに燃えるような熱さだ。それに気がついたのか心配して壱斗が私のおでこに手を当てる。


「あちゃ、あいりもしかして熱ある?(笑)」



「だるい…あつい…死にそう…。」

…しっかりと彼の風邪うつったみたいです。


ピピピピッ



「38.4度。アウトだね」


そう言ってふわりと笑う壱斗に昨日のSっ気はなく、憎たらしいくらいだった。



…でも、今度は私がとことん甘えて彼に構ってもらおう。いつもとは違う壱斗に触れることが出来るなら、たまには風邪もいいかもしれない。



「壱斗、ぎゅーして?」



そう言うと困ったように



「仕方ないなぁ」




そう言いながらも傍にきて包み込んでくれる彼の優しさを肌で感じ、私は優しい微睡みへと沈んでいった。



ーーーーFinーーーー
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