キミと、光さす方へ
☆☆☆
少しずつ、自分の周りの景色が変化しているような気がした。
泉や勇人と一緒に話をしているときに、声を出して笑うことが多くなった。
それはいい変化だったけれど、気がかりな変化も同時に訪れていた。
「今日も松本くん、怪我してたね」
朝のホームルームが終わった時のこと、泉が心配そうな声で言った。
「そうだね」
あたしは頷く。
ここ数日間、松本くんは色々な場所に絆創膏やガーゼを張って来るようになった。
きっと前日の放課後に誰かにやられたんだと思う。
けれど松本くんはそれについて先生から聞かれても、階段で転んだとか、自転車でえこけたと言い続けているそうだ。
「こんなに毎日怪我するわけないのにね。でもまぁ、仕方ないのかな」
泉の言葉にあたしは瞬きをした。
「仕方ないって、どういう意味?」
「知らない? 松本くん、前の学校でも同じくらいイジメられてたんだって」
「え?」
「たぶんそれが転校の理由なんだと思う。だけどね、松本くん全然抵抗しなかったんだって」
「どうして!?」
思わず声が大きくなってしまい、周囲を見回した。
「わかんない」
泉は左右に首を振る。
あたしはこの目で松本くんの強さを見ている。
少しずつ、自分の周りの景色が変化しているような気がした。
泉や勇人と一緒に話をしているときに、声を出して笑うことが多くなった。
それはいい変化だったけれど、気がかりな変化も同時に訪れていた。
「今日も松本くん、怪我してたね」
朝のホームルームが終わった時のこと、泉が心配そうな声で言った。
「そうだね」
あたしは頷く。
ここ数日間、松本くんは色々な場所に絆創膏やガーゼを張って来るようになった。
きっと前日の放課後に誰かにやられたんだと思う。
けれど松本くんはそれについて先生から聞かれても、階段で転んだとか、自転車でえこけたと言い続けているそうだ。
「こんなに毎日怪我するわけないのにね。でもまぁ、仕方ないのかな」
泉の言葉にあたしは瞬きをした。
「仕方ないって、どういう意味?」
「知らない? 松本くん、前の学校でも同じくらいイジメられてたんだって」
「え?」
「たぶんそれが転校の理由なんだと思う。だけどね、松本くん全然抵抗しなかったんだって」
「どうして!?」
思わず声が大きくなってしまい、周囲を見回した。
「わかんない」
泉は左右に首を振る。
あたしはこの目で松本くんの強さを見ている。