キミと、光さす方へ
勇気を出して告白しようとしている勇人を、止めることはできなかった。
ダメ。
まだ聞きたくない。
今じゃない。
そんな風に思っても、勇人には届かない。
勇人は松本くんに取られまいと行動に移してしまったのだ。
「琴江のことが好きだ」
その言葉に一瞬にして周囲が灰色に染まった気がした。
グラウンドから聞こえてきていた部活動の声がスッと遠くなっていく。
今じゃないよ勇人……。
返事をする前に、鼻の奥がツンッと痛くなった。
涙が出そうになり目に力を込めて引っ込める。
あたしの方が泣くなんて許されることじゃない。
もう少し早く。
松本くんと出会う前にその言葉を聞いてれば、答えは違っていたかもしれない。
あの頃のあたしは自分から幸せに手を伸ばすことはなかったけれど、それでも嬉しかったと思う。
でも、今は……。
大好きな勇人を傷つけてしまうとわかっているから、辛かった。
あたしは返事ができず、呆然として勇人を見つめる。
沈黙が続く中勇人が顔をあげて切なそうな表情を見せた。
それを見た瞬間、あぁ、伝わってしまったと感じた。
あたしの答えは口に出さずに勇人に届いてしまった。
ダメ。
まだ聞きたくない。
今じゃない。
そんな風に思っても、勇人には届かない。
勇人は松本くんに取られまいと行動に移してしまったのだ。
「琴江のことが好きだ」
その言葉に一瞬にして周囲が灰色に染まった気がした。
グラウンドから聞こえてきていた部活動の声がスッと遠くなっていく。
今じゃないよ勇人……。
返事をする前に、鼻の奥がツンッと痛くなった。
涙が出そうになり目に力を込めて引っ込める。
あたしの方が泣くなんて許されることじゃない。
もう少し早く。
松本くんと出会う前にその言葉を聞いてれば、答えは違っていたかもしれない。
あの頃のあたしは自分から幸せに手を伸ばすことはなかったけれど、それでも嬉しかったと思う。
でも、今は……。
大好きな勇人を傷つけてしまうとわかっているから、辛かった。
あたしは返事ができず、呆然として勇人を見つめる。
沈黙が続く中勇人が顔をあげて切なそうな表情を見せた。
それを見た瞬間、あぁ、伝わってしまったと感じた。
あたしの答えは口に出さずに勇人に届いてしまった。